こんにちは!カオハガン島のyoshie(@yoshie_radhika)です。
前回は、「フィリピン人だけが知る美味しいココナッツの見分け方」の魅力についてご紹介しました。
○フィリピン人だけが知る美味しいココナッツの見分け方
今回は、奇跡の木(ミラクルニーム)と呼ばれるニームの木をご紹介したいと思います。
カオハガン島は、遠くから見るとこんもりとしたブロッコリーのようなたくさんの木々に守られています。その約半分の木はニームの木です。ニームの木は、ここ十数年の間に増やしたものでした。
奇跡の木(ミラクルニーム)と呼ばれるニームの木
ひと昔前まで、カオハガン島にはイピルイピルという、毛虫が寄ってくる木がたくさん自生していました。
毎日元気よく木の周りで遊ぶ子どもたちが、毛虫に刺されて痒みに困っていました。
当時カオハガン小学校に勤めていた先生が、虫を寄せ付けず、薬用効果が高いニームの木を植えましょうと、みんなで少しずつニームの木を植林していきました。
現在では小学校へ抜ける道は、天使の小道と呼ばれる若草色の葉っぱをたくさん茂らせたニームの木が子どもたちを害虫から守っています。
ミラクルニームと呼ばれるだけあって、さまざまな効能があるんです。
ニームの木の素敵な効能
虫よけに
ニームの木自体が虫除け効果があるのですが、枝を少し落として、葉を燃すと、天然の蚊取り線香になります。かなりの煙がモクモクとでますが、かなり効果があります!
蚊が多く、寝苦しいときは、ニームを燃して、たっぷりと煙の中、おやすみなさい。ニーム独特の香りが鼻をくすぐります。
ハーブティーとして
繊細でシャープなかたちの葉には、苦味があり、インド伝承医学であるアーユルヴェーダでは最も強力な血液浄化剤であり、解毒剤として用いられています。
島でも胃腸の不調和を感じたときは、ニームの葉を煎じて飲んでいます。
ハーブティーにせず、そのまま葉を食べてしまうというダイナミックなこともできます。すごく苦いです。
ニームティーの苦さを緩和させるには、煮だしたお茶を冷やすと飲みやすくなるようです。でも、身体のことを想うと、温かいままがおすすめです。
ニームの浄化作用は強力なようで、島では、妊娠するとニームのお茶を飲んではいけないと教えられます。下に向かうエネルギーが強いということだそうです。
皮を剥くと歯磨きに
ニームの枝の皮を剥き、枝の中の白い部分を歯に擦ることで、歯磨きになります。
強力な洗浄効果を持つニームの枝歯磨きは、インドを中心とするアジアで重宝されています。もちろん、葉っぱをそのまま食べても洗浄効果あり!
カオハガン島になくてはならない存在
風が気持ちよく抜けていくカオハガン島では、ニームの葉がサワサワといつも優しく揺れています。
4月頃に咲かせるニームの小さく愛らしい花は、ジャスミンに似たやわらかな甘い香りがして、島全体にふんわりと広がり、心を癒してくれます。
カオハガンの島民は、植物やハーブを聖なるものとして、その恩恵を受け、自然界と交流しています。そんな知恵を教わるのも、島に住む楽しみのひとつ。
人が自然界と上手に交わることができたとき、カオハガン島のように調和した世界が生まれます。それが、なんとも言えない、島の心地よさとなります。