《作り手VOICE》Jowee Alviarさん(Team Manila創業者)

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、現在フィリピンは入国制限がかかっています。また、各施設の営業状況が変わっている可能性があります。ご利用の際は公式HP等にてご確認ください。大変な時期が続きますが、少しでも旅行の楽しさを味わっていただけるよう、引き続き情報をお届けいたします。

マガンダン・ハーポン!マニラブのゆかりです。

 

「作り手VOICE」とは、国籍問わず、フィリピンの魅力を形づくる「人」にフォーカスする連載です^^

 

今回の「作り手」は、Jowee Alviarさん。

 

ゆかり

「Team Manila」はお土産にもおすすめのファッションブランドです^^

Team Manilaブランド

マカティのとある有名なつけ麺屋さんの隣のビルに、Team Manilaはひっそりとスタジオを構えている。

 

スタジオに入ると、まずはこのブランドの代名詞でもあるホセ・リサールを模した巨大なロゴが出迎えてくれる。

 

ホセ・リサールとは、フィリピン独立運動に取り組んだ国民的英雄。

 

Team Manilaのロゴは、このホセ・リサールがサングラスをかけていて、「今風」にデザインされている

 

スタジオの入口側はアパレルショップになっており、奥側がデザイナーの事務所。

 

ショップには、フィリピンをモチーフにした数々のデザインのTシャツが所狭しと並べられている。

 

フィリピンのストリートフードをネタにしたり、地名をもじったりしたユニークな商品をひとつひとつ手に取っては、思わず微笑まずにはいられない。

 

あわせて読みたい

○ フィリピンの英雄がロゴのブランド「Team Manila」の商品紹介

 

Jowee Alviarさん

Joweeさんのお話は、ショップの奥にあるデザイナー事務所で伺うことができた。

 

大学でAdvertising(広告)を専攻していたJoweeさん。

 

クラスメートだったMonさんと意気投合し、後にTeam Manilaを立ち上げることになる。

 

在学中、ふたりが友人から勧められて読んだ一冊のタイポグラフィーの本が、グラフィックデザインに舵を切るきっかけだったという。

 

卒業後、Joweeさんはその本の奥付に書かれていたCalArts(カリフォルニア芸術大学)へ進学。

 

CalArtsでは、アメリカのさまざまなアーティストを訪問する授業があり、一人ひとりのアーティストが「生まれ育った街を代表する」という気持ちでデザインに打ち込んでいる姿にJoweeさんは感銘を受けたという。

 

「マニラにはまだグラフィックデザインを代表する人がいない。僕たちがそれになろう。」

 

マニラに戻ったJoweeさんは、当時音楽雑誌の出版社で働いていたMonさんと連絡をとった。

 

当時はとにかく経験欲しさに、「ミュージックアルバムのデザインからミュージックビデオの制作まで、何でもできます!」と、実力以上のことを語って営業していたという。

 

「一体どこから来た坊主たちだ?」と一蹴されることもあったが、そんなふたりを信じて仕事をくれた人たちもいたと振り返る。

 

経験値をどんどん増やしたふたりは2002年、グラフィックデザイン会社「Team Manila Graphic Design Studio」を立ち上げた。

 

ただ、この当時はまだTシャツブランドの「Team Manila」は始まっていない。

 

フィリピンの魅力を形づくる「Team ManilaのTシャツ」

グラフィックデザインの会社名をアピールするために、ユニフォームとして会社名がプリントされたTシャツを作り始めた。

 

それを見た知り合いから「製品化してほしい」「ぜひコラボしたい」という声が増え、2005年にTシャツ専門ブランドが立ち上がった。

 

Team ManilaのTシャツのデザインは、観光客にウケるベタなデザインというより、マニラに住む人がくすっと笑えるようなデザインだ。

 

「マニラはクレイジーでしょ?混沌としているでしょ?それを隠さずに、大切なものとして受け入れてほしくてね。」

 

たとえば、10人乗りに15人も16人も乗るジプニーや、道端で知らない人と一緒に食べるフィッシュボール。

 

当たり前すぎる普段の風景をデザインに取り入れることで、それらの風景が自分たちを作っているのだと再認識してほしい。

 

そうやって、マニラのストーリーを伝えたいんだ、とJoweeさんは教えてくれた。

 

フィリピン×Jowee Alviar

フィリピンの魅力を尋ねたときにJoweeさんが口にした、“People make the city.” という言葉。

 

なんて印象に残る言葉だろう。「人が街を作る」のだ。

 

東(アジア)と西(欧米)のミックスが、フィリピンのユニークさを作り上げていると説明するJoweeさん。

 

「台風が来ても胸まで洪水に浸かって、ビールを回し飲みしているフィリピン人を見るだろう?」

 

困難があっても楽しみを見つける。いつもポジティブに生きる。

 

それが、世界に伝えたいフィリピンの魅力を作り上げるフィリピン人だ。


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