マガンダン・ハーポン!マニラブのゆかりです。
「作り手VOICE」とは、国籍問わず、フィリピンの魅力を形づくる「人」にフォーカスする連載です^^
今回の「作り手」は、Jowee Alviarさん。
「Team Manila」はお土産にもおすすめのファッションブランドです^^
Team Manilaブランド
マカティのとある有名なつけ麺屋さんの隣のビルに、Team Manilaはひっそりとスタジオを構えている。
スタジオに入ると、まずはこのブランドの代名詞でもあるホセ・リサールを模した巨大なロゴが出迎えてくれる。
ホセ・リサールとは、フィリピン独立運動に取り組んだ国民的英雄。
Team Manilaのロゴは、このホセ・リサールがサングラスをかけていて、「今風」にデザインされている。
スタジオの入口側はアパレルショップになっており、奥側がデザイナーの事務所。
ショップには、フィリピンをモチーフにした数々のデザインのTシャツが所狭しと並べられている。
フィリピンのストリートフードをネタにしたり、地名をもじったりしたユニークな商品をひとつひとつ手に取っては、思わず微笑まずにはいられない。
○ フィリピンの英雄がロゴのブランド「Team Manila」の商品紹介
Jowee Alviarさん
Joweeさんのお話は、ショップの奥にあるデザイナー事務所で伺うことができた。
大学でAdvertising(広告)を専攻していたJoweeさん。
クラスメートだったMonさんと意気投合し、後にTeam Manilaを立ち上げることになる。
在学中、ふたりが友人から勧められて読んだ一冊のタイポグラフィーの本が、グラフィックデザインに舵を切るきっかけだったという。
卒業後、Joweeさんはその本の奥付に書かれていたCalArts(カリフォルニア芸術大学)へ進学。
CalArtsでは、アメリカのさまざまなアーティストを訪問する授業があり、一人ひとりのアーティストが「生まれ育った街を代表する」という気持ちでデザインに打ち込んでいる姿にJoweeさんは感銘を受けたという。
「マニラにはまだグラフィックデザインを代表する人がいない。僕たちがそれになろう。」
マニラに戻ったJoweeさんは、当時音楽雑誌の出版社で働いていたMonさんと連絡をとった。
当時はとにかく経験欲しさに、「ミュージックアルバムのデザインからミュージックビデオの制作まで、何でもできます!」と、実力以上のことを語って営業していたという。
「一体どこから来た坊主たちだ?」と一蹴されることもあったが、そんなふたりを信じて仕事をくれた人たちもいたと振り返る。
経験値をどんどん増やしたふたりは2002年、グラフィックデザイン会社「Team Manila Graphic Design Studio」を立ち上げた。
ただ、この当時はまだTシャツブランドの「Team Manila」は始まっていない。
フィリピンの魅力を形づくる「Team ManilaのTシャツ」
グラフィックデザインの会社名をアピールするために、ユニフォームとして会社名がプリントされたTシャツを作り始めた。
それを見た知り合いから「製品化してほしい」「ぜひコラボしたい」という声が増え、2005年にTシャツ専門ブランドが立ち上がった。
Team ManilaのTシャツのデザインは、観光客にウケるベタなデザインというより、マニラに住む人がくすっと笑えるようなデザインだ。
「マニラはクレイジーでしょ?混沌としているでしょ?それを隠さずに、大切なものとして受け入れてほしくてね。」
たとえば、10人乗りに15人も16人も乗るジプニーや、道端で知らない人と一緒に食べるフィッシュボール。
当たり前すぎる普段の風景をデザインに取り入れることで、それらの風景が自分たちを作っているのだと再認識してほしい。
そうやって、マニラのストーリーを伝えたいんだ、とJoweeさんは教えてくれた。
フィリピン×Jowee Alviar
フィリピンの魅力を尋ねたときにJoweeさんが口にした、“People make the city.” という言葉。
なんて印象に残る言葉だろう。「人が街を作る」のだ。
東(アジア)と西(欧米)のミックスが、フィリピンのユニークさを作り上げていると説明するJoweeさん。
「台風が来ても胸まで洪水に浸かって、ビールを回し飲みしているフィリピン人を見るだろう?」
困難があっても楽しみを見つける。いつもポジティブに生きる。
それが、世界に伝えたいフィリピンの魅力を作り上げるフィリピン人だ。